キッズ政治漫画(Hatena版)abemaぶっ飛ばせ!

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新自由主義の爪痕。1980年代のレーガン政権の「反環境主義」の問題。

小 林 健 一氏の『米国における反環境主義の台頭と展開』から引用する。

https://www.youtube.com/watch?v=PTKDRtE1iGg

www.youtube.com



レーガン政権の発足
1970 年代末の反環境主義が高まる中で,レーガン政権が発足した。レーガンは「大きな
政府」をアメリカ経済停滞の原因と見なし,「大きな政府」の徹底的な見直しを追求し,環
境立法と規制は再検討され,必要であれば,そのコストを正当化するほどの利益を確保する
ため改革されるべきであると主張した。「われわれは環境保護が,無成長政策と縮小経済を
覆い隠すものにならないよう宣言する」21)。また,エネルギー政策については,「われわれは全国のエネルギー供給を積極的に増加させ,市場において最大限可能な選択と自由を回復することを約束する」22)と 1980 年の共和党の綱領に述べられている。

大統領選挙戦のなかで,レーガンは「大気汚染防止(改正)法」を間違った優先順位と過
剰規制の典型であるとし,大統領に就任したら,アメリカ経済の規制緩和政策における最重
要なものとして真っ先に(再)改正すると述べた23)。同時にレーガンは 3 分の 2 の鉱物資源が広大な連邦公有地に埋蔵されていて,連邦公有地が石油,ガス産業の発展を押しとどめていると信じていた24)。
レーガン大統領は,連邦公有地の管理運営の権限をもつ内務長官にコロラド州で活躍して
いた反環境主義の法律家,ジェイムズ・ワットを任命し,環境保護長官には同じくコロラド
州議会で反環境主義の活動をしていた議員,アン・ゴーサッチ(Ann Gorsuch)を任命した。
また,レーガンは大統領就任後間もない 1981 年 2 月,行政命令 12291 号に署名をした。こ
の行政命令はあらゆる新しい連邦規制は,採択される前にコスト・ベネフィット分析にかけ
られるべきであると義務付けた。この行政命令は,経済的効率性が新しい規制やそれらの修
正を評価する際のベースにならなければならない,と述べた。この行政命令の司令塔となっ
たのが,行政管理予算局(Office of Management and Budget)であった25)。こうして,レーガンの反環境主義の「革命」が始まったのである。


連邦公有地における開発推進

連邦公有地とは資源の保護管理のために,連邦政府アメリカ全土の約 22 億エーカーのうちの約 28% にあたる約 6 億エーカーを所有・管理している。

レーガン政権のもとで,ワット内務長官が前例無視の異常なまでの連邦公有地内の開発を
推進した。 → イェーツ石油会社事件。

連邦所有地である国有林における木材販売について述べる。レーガン政権は農務副長官として,ジョン・クローウェルを任命していた。クローウェルは木材大手企業のルイジアナ・パシフィック社の副社長であった人物。レーガン政権発足後,国有林の予算はレクリエーション関連予算が減額され,木材生産・販売関連予算が増額された。これは国有林の役割の中心が,木材の生産・販売にあるという考えの表れであった。ところが,国有林へのハイキング訪問者は 1970 年代に 99% も増え,1,230 万人になっていた30)。国有林にたいする市民の期待とレーガン政権の政策は食い違っていたのである。