石原氏動く
「東京が尖閣諸島を守る」。石原氏が電撃表明したのは、米ワシントンに出張中の2012年4月16日(日本時間17日)のことだった。領有権を主張する中国の挑発が続く一方、対策に及び腰だった民主党政権(当時)の対応に不信感を募らせた末の行動だった。
当時の猪瀬直樹・副知事(75)は「実務の話を詰めないまま、石原さんがぶち上げた」と振り返る。知事の留守を預かる都庁でテレビのマイクを向けられ、「寄付を募れば(都の)予算(支出)を抑えられる」と答えた。寄付は4月末から受け付けを始め、9月には洋上からの環境調査などを実施。慌てた国は地権者と20億5000万円での売買契約をまとめ、尖閣は同月に国有化された。