引用
「追加利上げ」慎重さにじむ 日銀総裁、市場との対話に反省の弁
20日の金融政策決定会合後に記者会見した日銀の植田和男総裁は段階的な利上げを目指す姿勢は崩さなかったものの、追加利上げに関する発言はトーンダウンした。日銀の「次の一手」はどうなるのか。植田総裁の発言から探った。
「政策判断にあたって、時間的な余裕はある」。植田氏は会見で、追加利上げの判断時期について一定の時間をかけることが可能だとの認識を示した。
背景にあるのは、6~7月に一時、1ドル=160円台まで急落した歴史的な円安・ドル高基調が緩和されつつあることだ。
インフレ(物価上昇)抑制のため金融引き締め策を続けてきた米連邦準備制度理事会(FRB)が18日の会合で利下げに転じ、金融緩和路線にかじを切ったこともあり、足元の円相場は1ドル=140円台前半で推移している。この2カ月ほどで20円程度も円が買い戻された形だ。
エネルギーや食料品など多くを輸入に頼る日本にとって、円安は輸入コストの上昇を通じ、国内の物価水準を直撃する。
円安に伴う物価高への不満は「物価の番人」日銀にも向かっていただけに「過度な円安が解消したことで慌てて利上げをする必要はなくなった」(日銀幹部)というわけだ。
苦い記憶…