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大前研一の視点,日本の実質為替レート安い、ガソリン補助金市場調整メカ不働、欧米のGS価格は日本より高い

大前研一ニュースの視点 9/8

▼実質実効為替レート 円の実力、53年ぶり低水準
 日本は根本的な国力強化を行うべきである

日経新聞は8月30日、「円の実力、53年ぶり低水準」と報じました。ドルやユーロなど、さまざまな通貨に対する円の総合的な購買力を示す、実質実効為替レートが53年ぶりの低水準に沈んでいます。要因はデフレや金融緩和による円安で、円の購買力を取り戻すには、物価と賃金上昇の好循環を軌道に乗せる必要があるとしています。

今、円の状況はかなり厳しく、実効為替レートはピーク時の90年代に比べて大変な勢いで落ちています。1986年のプラザ合意以降、90年代には円が強過ぎてどんどん高くなり、その後は階段を転げ落ちるような状況でした。今のガソリン価格は大変高くなっていますが、その理由の半分以上は産油国を原因とするものではなく、円安によるものです。

かつて貿易業は円安になることを望みましたが、今はそういう時代ではありません。円高が長く続いたために、生産工場を海外に移してしまった会社が多いからです。今、日本の国力が弱まったために円の力が弱いという、国にとっては最も嫌な烙印を押されています。日本は国力強化が急務であるにもかかわらず、各所に補助金を出すという策で国民の目をそらしているのです。


▼国内経済対策 9月末期限のガソリン補助金延長
 政府が決めた補助金対策は国民のためではない


岸田総理は8月30日、9月末に期限を迎えるガソリンの補助金について、年末まで延長すると表明しました。7日から段階的に拡充し、10月中にレギュラーガソリンの販売価格が全国平均で1リットル当たり175円程度となるよう調整するもので、同様に9月末で期限が切れる電気・都市ガス料金の支援も継続する方針です。

本来であれば、経産省はガソリン元売り各社に対して企業努力によりガソリン価格を安くするよう指示すべきですが、それをせずに補助金を出してガソリン価格を175円にしてくださいと頼んでいます。レギュラーガソリンの店頭価格急騰は、ガソリンそのものの価格高騰ではあるものの、円安が多大に影響しています。しかし私は、ガソリン価格が上がるのであれば、そのまま高くすればいいと考えています。そうすればユーザーの買い控えが起こります。価格弾性値でも分かるように、ガソリン価格が上がれば距離を短くし、そして同じリッターでも長距離を走れる車への乗り換えも進むでしょう。

そして国別のガソリン価格では、ベネズエラやイラン、リビアなどの産油国ではガソリンはほとんどただの状況です。しかしイギリスではリッター当たり300円近く、さらにモナコアイスランドでは400円です。これにより、車ではなく電車などの公共交通機関の利用が進みます。それに比べて日本はまだそれほどの価格ではなく、かつ日本車の燃費は良いので、ガソリン価格の調整は早いと思います。私が最も驚くのは、以前、日本の半分以下だったオーストラリアのガソリン価格が、今では日本と変わりません。そして日本の4分の1の価格だったアメリカも日本とほぼ同じ、そしてカナダでは日本よりも高くなっています。

そういう意味でも日本はどんどんガソリン価格を高くして、価格弾性値を使ってガソリンの無駄遣いをしないようにすべきなのです。政府が決めた補助金は、元はわれわれのお金であるのに次の選挙対策のために使われています。世界で起こっているガソリン価格の高騰、いいではないですか、日本車がもっと売れるかもしれません。


▼英大気汚染対策 排ガス規制を市全域に拡大
 ULEZ拡大による今後のロンドンに注目

イギリス・ロンドンで設定されている排ガス規制区域ULEZが、8月29日、ロンドン市内全域に拡大されました。排ガス基準を満たさないガソリン車やディーゼル車に1日当たり12.5ポンド、およそ2300円の通行料を課すものですが、記録的なインフレに通行料の負担が重なったのを受け、首相官邸付近では反対するデモが行われたほか、ナンバープレートを読み取るカメラの損壊が相次ぐ事態となりました。

私はある意味、仕方のないことだと思っています。排ガス規制を満たさない車両の通行料が毎日2300円となると、いずれ買い替えをしたほうが安くなるような時期がくるかもしれません。ちなみにこのULEZはヒースロー空港周辺も含んでいます。イギリスはガソリン価格も高く、古い車がまだまだ残っており、そして2300円という通行料の高さから、ストライキや暴動が起こっています。しかしそれはまだ一部のことですが、いずれロンドン市長のカーン氏は住民の反発に耐えられなくなる日がくるかもしれません。もし東京で同様の通行料が必要となれば、さすがの日本人も怒るのではないでしょうか。