引用:毎日
小泉元首相に聞く原発政策見直し(上)
「首相の判断で原発をゼロにできるのに、やるべきことをやっていない。非常に残念だ」。東京電力の原発事故後、脱原発を主張する小泉純一郎元首相(80)は9月22日、毎日新聞のインタビューで岸田文雄首相に苦言を呈した。岸田首相が原子力政策の見直しを表明する中、小泉氏は民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」の顧問として、岸田政権に政策見直しの撤回を求めている。どういうことなのか、小泉氏に聞いた。
――岸田首相が原発の新増設など原子力政策の見直しを関係省庁に指示しました。
◆よくない。反対だよ。新増設など(国民から)反対が出る。核のごみの最終処分場もない。それなのにどうして、政府と電力会社はそういう愚かなことをやろうとするのか、私は理解できない。
――政府はこれまで原発の再稼働を進めましたが新増設は封印してきました。岸田首相は「聞く力」をアピールしていますが、なぜいま見直すのでしょう。
◆それはわからない。日本は原発ゼロでやっていけることを事実が証明している。福島の原発事故後、(2013年9月から15年8月まで約2年間)原発が全基停止したが、夏も冬も停電などなかった。「原発ゼロ」にできるのに、どうしてやらないのか。
「岸田首相の決断は逆の方向」
――小泉さんは以前から「首相が決断すれば脱原発できる」と主張しています。
◆その通り。岸田首相の決断は逆の方向に行っている。悪い方の決断だ。原発ゼロにできる立場なのに、やるべきことをやっていない。非常に残念だと、はっきり書いてくれ。
――小泉さんが脱原発を目指す理由は何ですか。
◆原発がクリーンで安全で、コストが安いなどというのは全部ウソだとわかったからだ。私はそれを全国各地で…