玉川さんは、政治政党的演出があるだろうという業界人の予感を話した。「電通」的な匂い。電通は外れたが、予感の通り。それから、山県有朋と伊藤博文の関係は菅義偉述べたようなことではなかった。明治の現代史を誤解したくない。
引用楊井人文弁護士
玉川「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういう風に作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ電通が入ってますからね。」
安部「これはわからないですよ…」
羽鳥「いや、そこまでの見方をするのか、それともここは本当に自然に言葉が出たのか、見方はいろいろ…」
玉川「いや、菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でもそういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ。」
安部「これ玉川さん…(聞き取り不能)…テレビっていうある意味そういう仕組みじゃないですか。」
玉川「そうそう…」
安部「テレビっていうのは番組をみてそのコンテンツの間に広告をはさんでビジネスが成り立っているわけですから、広告の話っていうのは、ある種国葬的な政治利用の観点に近いような構造があったりするんだと思うんですけど、その上でたぶんそこのところは多くの人が鼻がきくようになっているんじゃないかというのが僕の考え方なわけですよ。どうですか。」
玉川「まあ、それは演出家の考え方でね。」
安部「なるほどね…」
(国葬の席次の話題にうつる)
※ 「電通」発言直後の安部氏の発言を追記しました。(10/10)
2022年9月29日(木)放送 文字起こし(訂正謝罪部分のみ)
羽鳥「ここで昨日のパネルコーナーで玉川さんが発言したことについて、玉川さんから」
玉川「はい、昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているとコメントしたんですけども、この発言はですね、事実ではありませんでした。
さらに電通はですね、全く関わっていないということがわかりました。
関係者の皆様、それから、視聴者の皆様、訂正して謝罪いたします。申し訳ありませんでした。(筆者注:頭を下げる)」
発言「趣旨」は解釈が入るが、客観的な事実は
裁判所や放送倫理・番組向上機構(BPO)でテレビ放送を取り扱う場合「一般的な視聴者の普通の見方」を基準に、その内容を特定することが一般的となっている。
そうはいっても、ひとりひとりの視聴者の実際の視聴直後の認識を把握することはできないから、「一般的な視聴者の普通の見方」を仮想しつつ、判断する側において、発言の趣旨を解釈し、特定することになる。
このように、放送内容やその際の発言の「趣旨」については、どういう映像・音声を放送したかという客観的事実とは別に、どうしても主観的な解釈が入ることは避けられない。
とはいえ、今回の玉川氏の発言起こしからは、少なくとも次の事実が、客観的に確認できると思われる。
◯ 当初、羽鳥キャスターが「やはり菅さんが一番刺さったかなという感じがありますけど、玉川さんいかがですか」と、菅元首相の弔辞に関する所見を玉川氏に求めた際、玉川氏は「国葬の政治的意図」について持論を述べていた。
この発言シーンでは、「菅元首相の弔辞」への「電通」を含む他者の関与など具体的事実には言及していなかった。
◯ 玉川氏の「電通」発言は、コメンテーターの安部氏が「(菅元首相の)スピーチ自体が多くの人に対して響いたのは政治的意図を超えたもので、個人としての感情として彼がお話になったのがよかったんじゃないかと思いましたけどね」と発言したことを受けて、飛び出したものであった。
その際、玉川氏は「当然」という表現を二度使い、推測ではなく、事実であるかのように断定的に主張した。このときの発言では「国葬全体の演出」と明示的に断るなど、菅元首相本人の自然な言葉の発露ではないかという安部氏の発言の文脈を遮断することなく、「電通」の関与に言及していた。
◯ 玉川氏の発言について、羽鳥キャスターは「電通」発言の根拠を問うことはせず、他の見方がある可能性を示唆するにとどめた。
これを受けて、玉川氏は再び発言し「菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でもそういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ」と述べた。
ここで、玉川氏は、菅元首相自身は自然に弔辞を読んでいたとの認識を示していたが、安部氏の発言や自ら「電通」に言及した文脈を遮断することなく、菅元首相を起用した「人選」への関与に言及していた。
◯ 玉川氏は翌日放送の謝罪発言において「私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているとコメントしたんですけども」と述べており、菅元首相の弔辞についての言及はなかった。
この謝罪発言を文字通り受け止めれば、玉川氏は「国葬に電通が関与していた」という趣旨に限って訂正、謝罪したのであって、「菅元首相の弔辞(あるいは人選)に電通が関与していた」という趣旨について明確に訂正、謝罪したわけではない。
以上の事実関係を踏まえて、玉川氏の発言意図は何だったのか、発言の前提となる事実についてどれほどの取材、調査を尽くしていたのか、発言によって一般的視聴者がどのような印象をもつのか、それに対する謝罪放送の内容は妥当だったのか、などの論点を冷静に評価し、議論することが求められる。