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引用
立民の安住氏お詫び行脚 参院選宮城、桜井氏離反で
7月10日投開票が想定される参院選宮城選挙区(改選数1)で自民党と立憲民主党が着々と足場固めを進める。自民は擁立する現職、桜井充氏に公明党推薦を取り付け、立民は新人の小畑仁子氏の当選に向け、連合宮城を介し国民民主党の協力を得た。一部の自民支持層に野党出身という桜井氏の遍歴が遠心力を働かせる中、県連執行部はカバーに奔走するが、立民は桜井氏の離反行為を掲げ〝包囲網〟を築く構えだ。(奥原慎平) 「これまでの(自民県連との)信頼関係の中、国政の安定のために桜井氏を全力で支援する」 公明党県本部の庄子賢一代表は2日、県庁で記者会見し、自民県連と参院選で協力する考えをこう示した。自民県連は比例代表で立候補する公明現職の横山信一氏を支援する。 同席した自民県連の西村明宏会長は桜井氏が自民支持者へのあいさつ周りを重ねていることを挙げ、「桜井氏が努力する中、少しずつまとまってきている。公明党に関する書籍も読み、公明への理解を深めようとしている」と手応えを口にしてみせた。 西村氏は5月23日に公明県本部を訪れ、庄子氏に桜井氏への推薦を打診。庄子氏らは同日夜に緊急幹事会を招集し、党本部に桜井氏推薦を上申することを決め、党中央幹事会が26日に桜井氏への推薦を決めた。 当初、公明党の推薦協議は難航するとの見方があった。桜井氏が民進党から出馬した6年前の参院選で、共産党との共闘関係を主導するなどしたためだ。公明党は共に弱者救済を掲げ、支持層が重複する共産党とは〝犬猿の仲〟で知られる。 西村氏は4月中旬以降、公明県本部の幹部のほか、支持母体幹部にも面会して桜井氏擁立に理解を求め、汗をかいてきた。西村氏は周囲に「桜井氏はこの苦労を分かっているかな」と漏らす。 ただ、スピード決着をみた背景には公明側が横山氏の比例当選に向け、自民県連の力を借りたい思惑も透ける。自民県連幹部は「党本部同士はスムーズに決着しても、公明支援者は簡単には桜井氏の過去を忘れないだろう」とくぎをさす。 ■ 「連合の推薦を受けた候補者である小畑氏に協力する」 国民民主党の浅野哲・県連代表は5月30日、連合宮城の大黒雅弘会長、立憲民主党宮城県連の安住淳代表が見つめる中、記者団にこう語った。 国民は4月末に県連を発足し、県選出の国会議員らがいないため衆院茨城5区選出の浅野氏が代表に就いた。選挙機材の提供や国民支持層への情報発信を通じ、小畑氏を後押しする。 会見に先だち3氏は、国民と立民が比例代表にそれぞれ擁立する連合の組織内候補を支援し、その上で選挙区は連合が推薦する小畑氏に協力する方針を確認した。 国民民主党本部は立民候補への推薦を控える方針だといい、同じく民主党に系譜を持つ両党の関係はギクシャクしている。安住氏はこうした経緯を念頭に連合宮城を間にはさむことで宮城選挙区で両党の共闘関係を演出した形だ。 安住氏は会見で「政権に対峙(たいじ)する力を作り、しかるべき時に全国で大同団結できる環境にしたい。宮城の位置づけは野党にとって歴史的な戦いになる」と強調した。 一方、公示が迫る中、共産党や市民連合など友好組織との連携話は表面化しない。共産党県委員会幹部は「安住氏とは意思統一を図っている。安住氏の戦略に任せている」という。 安住氏は共産などに連携を打診するのに先駆けて〝おわび行脚〟を予定している。桜井氏が支援者らに説明がなく自民会派入りしたため、安住氏が代わって謝罪するという。離反行為をアピールすることで、自民支持層の瓦解(がかい)と立民支持層の結集を図る狙いだ。 安住氏は宮城選挙区の争点について「決して人間関係のドロドロだけではない」と述べつつも、「自民批判を徹底した人が今日から自民でいいのか。政治は信無くば立たず。資質の問題は問わせてもらう」と語った。 参院選宮城選挙区は日本維新の会新人の平井みどり氏らも出馬を予定する。