戦争関係のドキュメントを観た。歴史学者が歴史一次資料の収集・読み解きを続けているが、本件は、膨大な蒋介石の日記分析が使われている。
NHKスペシャル「開戦太平洋戦争〜日中米英知られざる攻防〜」
もっとも関心深いテーマ。前に芦田均総理大臣の『第二次世界大戦外交史』を読んでいる。その日中戦争部分では、日本軍よりも兵力の劣る中国が、アメリカ、イギリスを戦争に引きずり込む外交力を働かせる蒋介石が描かれている。
NHKのドキュメントはまさにそこに光を当てていて、我が意を得たりと思った。
このドキュメントがどう評価されているのだろうとネットを調べたら、その中の1つとして、ネトウヨの八幡和郎さんのagoraがあった。中身は:
1.描くべき部分が出てこない。蒋介石の取るべき選択肢として、日本(近衛文麿)との和平があったのだが、コミュンテルンの妨害に遭って潰れてしまったと。
2.日中戦争の原因は蒋介石側の攻撃という点は忘れてはいけない。中国は容赦なく日本の正当な権益を攻撃し、北伐中の蒋介石がエスカレートし、起きたのが満州事変。
ネトウヨは必ずこれを言う。
本件NHKドキュメンタリーを見て私がもっとも驚愕したのは、蒋介石という人物が、執拗に外交戦略を追求し、偉大な歴史を作り上げたこと。日本の政治家・軍人と違う。